初心者の為のチヌ釣り講座⑦仕掛けについての考え方

最近、釣り番組で若手のクロ釣りトーナメンターが面白い事を言っていた。
「寒グレの食いが渋い時は出来るだけ浮力の小さい小粒のウキに替え、それでも食わなければ、自重が2gでも1gでも軽いウキに替えたほうがいい」と。

(↓ダイワスーパーチヌバトルの光景)

ダイワスーパーチヌ魚が横に走る場合ならわかるが、ほぼ真下に潜ろうとするクロに対して、わずかに自重が重いことが不利になるのだろうかと不思議に思った?
そしてそれでも効果が無いとなると、何と今度は1号のウキに1号のオモリで深ダナを攻める作戦に替えた!
そしてそのとたん爆釣モードに・・・

 

ウキは1gでも2gでも自重が軽いほうがいいと言っていた人が、通常のクロ釣りでは考えられない1号のウキに1号オモリという重い仕掛けを使用し、結果的に言ってることとは矛盾するこの釣法が正解だったわけだ。

チヌの釣果

勘違いしないでほしいが、軽い仕掛けがダメだということではない。
この時はこの仕掛けが合ったということで、その釣り場や魚の活性で仕掛けは変わるのが当然であり、いつもシンプルな軽い仕掛けが正解だという考えは捨てたほうがいいということ。

 

人によっていろんな理論があるが、それが有名なトーナメンターであれ、あくまでその人がイメージし考える理屈であり、魚に聞いた話ではない!

 

円錐ウキか棒浮きか!

今は、ある程度チヌを浮かせて釣る釣法が定着し、円錐ウキの操作性も感度もよくなった。
それでほとんどのトーナメンターが円錐ウキを単体で使っているが、通常のチヌ釣りでもクロつりのような軽い仕掛けで釣る人が多い。
以前のように、棒浮きに水中ウキや二段ウキを使う人は少なく、ましてや5連ウキなんかをつかう人はほとんどいない。

 

5連ウキ

 

浮力の小さいどんぐりウキ単体で、シンプルな仕掛けにすれば釣れると”なんとなく”思ってる人が多いのではないだろうか?
だが結論から言うと、水中ウキを使おうが、棒ウキを使おうが、2段ウキを使おうが構わない
浅いタナなら飛ばしウキに小型のアタリウキや小粒の5連ウキを固定してもいいし、深いタナなら1号以上の丸玉オモリで直撃してもいい。
むしろ、クロを釣るにもチヌを釣るにもいつも全誘導、どんな釣り場でも00~0号の軽い仕掛けにガンダマ無しというほうが問題!

 

円錐ウキ

 

以前はチヌ釣り仕掛けの定番だった棒ウキに水中ウキだが、今は水中ウキを使う人は少ない。
私は今でも、ある程度水深がある”波戸”でチヌ釣りをするときには、1号以上の棒ウキに相応の水中ウキをセットにすること多い。

流れがゆるいところなら”水中ウキでふかせる”という理屈も関係ないので、丸玉オモリで一気に沈めたほうが早い。
流れがあるときは、浮力調整のガンダマの他にハリスにG3~G7のガンダマを2、3段に打って仕掛けが不自然にならにように馴染ませる。
付け餌を安定させるために針のチモトにガンダマを打つこともある。

要はウキの感度と使いやすさで、どんぐりウキ単体でなければいけないというわけではない。
チヌは仕掛けを食うわけじゃなくあくまで餌を食べるのだから、付け餌をどう見せるか、如何に安定させるかが大切。
チヌはえさとりやボラのように早く泳がない。ゆっくり確かめるように餌を咥えて、ゆっくり泳ぐので付け餌が安定しない状態では具合が悪い。

釣りの道具にもメーカーの思惑やそのときの流行というものがあるので、そういうことに惑わされず、その時の状況にあった仕掛けや自分が好きな仕掛けを使えばいい。

 

メイタ狙いの細仕掛け?

今の糸は強いのでチヌ釣りで1.75や1.5号の細い道糸を使う人も多い。
確かに道糸は細いほうが風の抵抗が少ないし、浮きを通る時の滑りもよく操作性がいいし、チヌが餌を咥えてからの抵抗も少なくなる。

だが1.75号と2号の違いが判って使っているのだろうかと疑問に思う。
そんな小さな違いが判る人や、40センチそこそこのサイズを狙うのならそいう仕掛けでいいだろうが、少なくとも私はその違いをあまり感じないので2号未満の道糸は使わない。

初心者や50オーバーのチヌを釣ろうと思っている人にも、リスクに見合うだけのメリットがないので必要ないと言っていい。
そんな事にこだわるより、風表の沖磯より風裏の地磯を探すか、人の多い近場の波戸より離島の波戸でじっくり巨チヌを狙ったほうがいい。

また、トーナメンターが細い仕掛けを使っていたからその人がいつもそういう細仕掛けだとは限らない。枚数や総重量を争うトーナメントと一発大物を狙う釣りとでは仕掛けが違って当然だろう。

 

タックルバランスは大丈夫!?

道糸が細いのに全体のタックルバランスが悪い人が多いのにも驚く。仕チヌ釣り掛け
仮に道糸が1.5~1.75号ならハリスは1.25~1.5でチヌ針の1~2号、竿は0~0.8号というところがちょうどいいのではないだろうか。
しかし、50センチオーバーのチヌを狙うならチヌ針の3~5号に1.75~2.0号のハリスを使う事になるだろうから、道糸は2~2.5号程度で竿は1.0~1.25号程度のほうが全体のバランスがとれている。

いつ50センチオーバーが来てもおかしくない、のっこみチヌ釣りのタックルはこれくらいが丁度いい。

*仕掛けの拡大図はこちら
私が対馬の浅茅湾で60センチオーバーの巨チヌを狙う時はもっと丈夫なタックルを使用する事がある。
ただ、60オーバーの巨チヌを狙うなら根本的に考え方を変えなければならないと思っているが、それはまた別の機会に・・・

次回は、チヌの撒き餌と付け餌について。

 

もちろんお代はいただきません   ^_^;