釣りの原点

釣り人はみんなそれぞれ、釣りを始めたきっかけがあって、

友達に誘われて近くの川によく通ったとか、親と一緒に海釣りをしたら、たまたま大物釣って病みつきになったとか・・

そんなきっかけは、大人になっても忘れないもんです。

その人の釣りの原点とでも言うんだろうか・ ・ ・

 

父親と通った肥前町の磯

自分の場合は小学3・4年の頃から、いつも父親や弟と一緒に唐津市肥前町のこの地磯に通ったのが磯釣りの原点だろう。

ワケあって、思い出が多いその磯で約40年ぶりに竿を出した。

 

大人になって来てみると、子供の頃の光景とは少し違う。

もっと、海が広くて対岸が遠かったけど、大人になって見ると割りと狭い湾内だった。
磯の一番先端にある、ちょっとした離れに渡りたくても怖くて渡れなかった。

 

 

今見ると、簡単に渡れるやん!?

 

40年前の仕掛け

こんな近場の地磯でも、今では信じられないほど爆釣していた。
しかも、今のように感度のいいウキとか細い糸はない。
オキアミもなかった。

アミカゴにテニスボールくらいの丸ウキをつけて投げていた。
餌は剝きエビか、アミを丸めてストッキングの糸で巻いたもの。
それでも、手のひら~足の裏サイズのクロなら入れ食いだった。

餌取りのサヨリとかマイワシはどこにでもいて、足下では、大きなアラカブが良く釣れていた。

 

イワシ漁

ある日のこと、
オヤジが、「お~、イルカがおるばい」と言う。

沖を見ると、30~40頭のイルカが湾内の遠くで背中を見せていた。

 

 

すぐに対岸の漁港のサイレンが鳴り、たくさんの漁船が出てきてイルカ漁が始まる。

その様子を、興奮しながらしばらく見ていた。
なにせ、初めて見るイルカだった。

我に返って足元のウキを見ると、海の色がまったく変わっていた。
しばらく意味が判らなかったけど、イルカに追われたイワシの大群で、海底がまったく見えないほど紺色になっていた。

イルカとの距離が遠かったんで、相当のイワシの大群だっただろう。
そして、追い込まれたイワシの群れが、この浅瀬の岩場にどんどん跳ね上がって来た。

 

 

オヤジと俺と弟は、すぐに釣りを中断して、打ちあがったイワシを岩場で拾った。

クーラーとバケツと持っていた袋に入りきれないほどの大漁だったけど、それでもほんの一部だった。

 

40年以上たった今でも、はっきりと記憶に残っている。

 

最後の釣りへ・・・