初心者の為のチヌ釣り講座③ちぬが好む場所とは

情報からおおよその釣行場所を決めたら、今度はその場所のどこに釣り座を構えるかという事になる。
チヌ(クロダイ)の好みそうな場所は馴れてくれば雰囲気で判ってくるけど、初心者は悩むところなので目安となるポイントを挙げてみる。

その前に、季節によってチヌの集まる場所も好む餌も違うので、今回はのっこみチヌと言う前提での話。

 

地形の変化と適度な水深があるポイント

まず潮通しがよく水深がある場所の近くで、潮が緩む場所。例えば入り江やワンドのようなところは狙い目。
なるべく一帯の海底が岩場で複雑な場所や駆け上がりがいい。海草が生えているようなところは潮が生きていて、エビやカニなどの餌も多い場所なので尚良い。

 

加唐島のワンド

(加唐島オンスのワンド)

足元からドン深な場所や、最近の波戸のように基礎がコンクリートでキッチリ隙間なく敷いてあるところはパスする。
要は餌場にしても遊び場や休憩所にしても地形に変化があるところをクロダイは好む。
テトラの波戸は足場が悪いが、そういう意味では条件を満たしているところが多いのでいいポイントになる。

そういう場所があれば、適度な水深があるところに釣り座を構える。
沖は砂地だが海岸線は岩場で、その間は砂底にシモリが点在するようなところもクロダイが好む場所だが、釣るには水深が足りない場合が多い。
適度な水深とはおおよそ竿1本~1本半くらいだが、もちろんその先が深くなっていても問題ない。

なぜその位の水深がいいかというと、のっこみチヌは浅場で餌を探しているのでそのくらいのところにいることが多い。
竿2本以上の深いところにいても食い気が無いか活性が悪い場合が多く、ポイントも絞りづらくなるので効率が悪い。
食い気があれば撒き餌で深場から上ってくるので、わざわざ深ダナに合わせる必要もない。

 

浅場の巨チヌは遠投釣法で攻める

逆に2ヒロ前後の浅場で海底に障害物が少なく、チヌが見えているそうな状態では食わせるのは難しい。(潮の濁りや障害物があればよい)
こちらからチヌが見えているという事はチヌからもこちらが見えているので、警戒心の強い黒鯛は岩陰や深場に隠れてしまう。
それでは浅いところはダメかというとそういう事はない。
実はのっこみの時期には2ヒロ無いような浅場で大型が釣れることも多く、夕まずめには浅場で爆釣することもある。

 

乗っ込みチヌずいぶん前のことだが、福岡の野北の波戸で釣っていたときのこと。
磯に上れなかったのか、ライフジャケットに身を包んだ二人が後からやって来たが釣る場所がなく、波戸の根元の超浅いところで釣りはじめた。
しかも上手いもので、ド遠投で撒餌も遠くまで飛ばしていたので感心して見ていたら、そのうちの一人が何かデカイ魚を掛けた。
ボラだろうと思っていたら、それまで見たこともない巨チヌで衝撃的だったのを覚えている!

 

それから私のチヌ感が変わり、浅場でもよさそうな地形だったら遠投で釣るようになった。

その後、私もゴールデンウイークに壱岐のイルカ鼻の水深が2~3ヒロくらいのところで遠投釣りをして56.5センチのチヌを釣り上げた。
仕掛けを投入して馴染む前に、いきなり竿引きのアタリだったので実際は1ヒロくらいのタナで食って来たと思う。

のっこみ終盤で水温があがってくればチヌの動きは活発になるのでこんな事もある。
ただ、この場所は潮通しがいいところだったが、潮通しが悪く浅いほど撒き餌がきかないというデメリットがあるので、できれば適度な水深があるポイントにしたほうがよい。

 

上対馬の地磯

(浅場だが絶対チヌがいそう・・・ 上対馬町)

要するに浅い場所で障害物が少なく、チヌが丸見えのところを釣っても無駄で、こういう場所では遠投で攻める。
ただし、遠投したところが何も変化のないようなところなら最初から違うポイントを選んだほうがいい。それに遠投釣法は色んな要素が必要なので初心者には敷居が高いといえる。

次回はチヌを釣る時のタナについてさらにノッコんだ話。

 

もちろんお代はいただきません   ^^;